『食品と開発』誌面から

加工食品の輸出拡大に向けて~我が国の加工食品の輸出拡大に向けた戦略と施策~【食品と開発 10月号特集1】🔒

執筆者

食品と開発のアバター

農林水産省近畿農政局経営・事業支援部食品企業課 課長
前 大臣官房新事業・食品産業部食品製造課 課長補佐(加工食品輸出担当)


1.農林水産物・食品の輸出戦略の改訂

日本の農林水産物・食品の輸出額は、2012 年の約4,497 億円から12年連続で増加し、2024年には1.5兆円を初めて突破した。また、訪日外国人旅行者数は2024年に過去最高の3,687 万人となり、その食関連消費額は2.3兆円となった。こうしたインバウンドの訪日動機の第1位は「日本食を食べること」であり、日本の食の魅力を海外に発信する好機になっている。食品産業の海外展開についても、海外における日本食レストランは10年で3倍以上の18万店超まで増加するなど、日本食・食文化の海外普及につながっている。このように、日本の農林水産物・食品の輸出に向けた好機が広がりつつある。

2024年には、「食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律」(令和6年法律第44号)が施行され、25年ぶりに改正された食料・農業・農村基本法(以下「改正基本法」という。)において、人口減少に伴い国内市場が縮小する中で、拡大する海外市場を獲得し、農業生産基盤の維持及び食品産業の発展を通じて食料安全保障の確保を図るとの考え方の下、輸出に係る規定が拡充され、食品産業の海外展開の促進に係る規定が新設された。

さらに、改正基本法に基づき初めて策定した新たな「食料・農業・農村基本計画」(令和7年4月11日閣議決定)では、海外需要の拡大と供給力の向上の取組を車の両輪とする輸出促進の取組に加え、食品産業の海外展開及びインバウンドによる食関連消費の拡大を政策の柱として位置付けた。具体的には、食品産業の海外展開により日本食・食文化の理解促進を図るとともに、インバウンドの食関連消費の拡大により、海外の日本食ファンを増やすことを通じて、輸出拡大との相乗効果を発揮し、農林水産業・食品産業の「海外から稼ぐ力」を強化することとした。

その上で、これらの政策の推進により目指す2030年の目標として、農林水産物・食品の輸出額5兆円、食品産業の海外展開による収益額3兆円、インバウンドによる食関連消費額4.5兆円を設定した。

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