執筆者
アピ㈱ 堀 留彌、楢本 恭子
はじめに
近年、健康食品は幅広い世代・多様なニーズに応える存在として市場が拡大しており、安全性や機能性への期待がますます高まっている。一方で実際に消費者が摂取した成分が体内でどのように振る舞い、効果を発揮するかをイメージすることは難しい。また加齢に伴う嚥下機能や消化力の低下、性別や体格による剤型の嗜好性の違いなど、摂取性や吸収性に影響を及ぼす要因も大きい。
こうした背景のもと、健康食品に含まれる機能性成分が体内で効率的に吸収され、十分な生体利用率を確保することは、製剤設計において重要な課題である。いかに優れた成分であっても、体内に吸収されなければ十分な効果を発揮することは難しい。
今回は体内への吸収に目を向け、製剤中に含まれる機能性成分が体内で吸収されて機能性を発揮するまでの流れ、および血中濃度と機能性発現の関係について解説するとともに、弊社の製剤技術・原料加工技術である「API’sPLUS on」から、吸収性向上に寄与する製剤技術として「高分散型ソフトカプセル」と「微粒子化技術」について事例とともに紹介する。これらの吸収に考慮した製剤設計は人々のQOL向上への貢献にも寄与し得る。
1. 製剤中の機能性成分の吸収と機能性の発現
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