Rabobankが発表したデータによると、気候、乱獲、養殖業の拡大などの理由により、魚粉・魚油不足が2028年までに深刻化し、オメガ3製品市場に混乱が広がることが予想されている。
現在、魚粉の90%以上は養殖用飼料の原料として消費されており、これは2013年の数値(79%)から増加している。魚油に関しては、不足に伴い、養殖業者が飼料を植物油に切り替えるなど、使用が控えられてきた。現在は約70%が養殖用飼料として消費されている。特に養殖サーモンでは、オメガ3脂肪酸の含有量が健康効果の指標となっているため、魚粉や魚油を飼料として多く利用し、実際に飼料としての消費量の半分以上を占めている。魚粉や魚油は供給量を増やす余地が限られており、代替品もほとんどないため、今後不足により価格が上昇し、コストの観点から飼料としては手に負えなくなる可能性がある。
魚粉や魚油の主な供給源は、アンチョビ、イワシ、サバなどの小さい外洋魚である。これらは特にエルニーニョ現象など、海における気候変動の影響を受けやすい。
食品としては、主に栄養補助食品、乳児用粉ミルク、またペットフードなどの分野で魚紛・魚油由来のDHA・EPAが使用されている。そこで、魚粉・魚油不足に対応するため、各企業は代替オメガ3源の生産に力を入れている。Orlo Nutrition(アイスランド)では、地熱発電を利用してDHAとEPAを生産する微細藻類を屋内で養殖。従来の藻類の養殖に比べて土地と水の使用量を99%削減しているという。Corbion(オランダ)では、精密発酵による海洋微細藻類由来のDHAを提供している。サプリメントなどの食用と飼料用のどちらでも使用でき、飼料原料としては既に導入されている。Rothamsted Research(イギリス)では、遺伝子組み換え技術を用いて、カメリナ・サティバという油糧作物からDHAとEPAを生産することに成功した。まだ市販はされていないが、ヒト試験で安全性が確認された。
[https://www.ingredientsnetwork.com/][2025.10.2]












