『食品と開発』誌面から

伝統的発酵食品を支える微生物たちとその機能の開拓【食品と開発 1月号特集2】🔒

執筆者

食品と開発のアバター

奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 助教 赤坂 直紀
奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 准教授 渡辺 大輔


我が国には多様でユニークな伝統的発酵食品が存在し、その背景には目に見えない微生物たちの働きがある。日本酒のアルコール発酵を担う清酒酵母、「国菌」として和食の要を成す麹菌、ローカルな発酵食品の個性を形づくる乳酸菌群などが代表例であり、近代以降の微生物学・醸造学の発展とともに分離・発見されてきた。

一方で、いまだ主要な発酵微生物が同定されていない食品も存在し、同定された場合でも、その具体的な役割や発酵プロセス・産生物質の制御メカニズムには不明な点が多い。伝統的発酵食品を正しく理解し、その生産性や付加価値を高めるには、その中で生きる微生物の実像を精密に把握することが不可欠である。

近年の分子生物学およびオミクス技術の発展により、発酵を司る微生物の機能と制御メカニズムが分子レベルで解析されつつある。香りや味わい、機能性に関わる成分の生成経路に加え、微生物同士および原料成分との相互作用の理解が進み、複雑な発酵環境における微生物群集のふるまいが明らかになりつつある。

本稿では、日本の伝統的発酵食品を支える乳酸菌・酵母・麹菌に焦点を当て、現在筆者らが進めている最先端の研究事例を紹介し、それらを通じて微生物機能の開拓の現状と展望を示したい。

🔒この記事は雑誌に収録されています。

続きは『食品と開発』2026年1月号にてご購読いただけます。

食品と開発 2026年1月号

【2026年1月号】伝統的発酵の解明から新たな発酵デザインへ

『食品と開発』誌面から

伝統的発酵食品技術から学ぶ新しい微生物利用展開【食品と開発 1月号特集1】🔒

麹菌の窒素同化固体発酵による簡便迅速な食用タンパク質生産【食品と開発 1月号特集3】🔒

関連記事

  1. 食品と開発 4月号特集2 美味しさの見える化で何ができるか?【食品と開発 4月号特集2】&…
  2. 食品と開発2025年8月特集2 食品製造業における生産性向上等の実態調査【食品と開発 8月号特集…
  3. メシマコブ メシマコブ菌糸体MyoSSの筋肉ケア効果:「戻す×伸ばす」を支え…
  4. 海外輸出 加工食品の輸出拡大に向けて~我が国の加工食品の輸出拡大に向けた戦…
  5. brain 世界の注目を集めるマグネシウム素材「Magtein®」(L- ト…
  6. 3Dフードプリンター 3Dフードプリンターにおけるカードランの活用【食品と開発 2月号…
  7. 【2025年11月号】特集/可溶化・安定化・吸収性向上素材と技術 リポソーム化粉末が拓く有用成分の生体利用率向上:吸収困難なビタミ…
  8. 食品と開発2025年8月特集3 食品産業の未来を変えるロボットフレンドリーによる世界初 惣菜盛り…

お問い合わせ

毎月1日発行
  年間購読料 33,000円(税込)
      1冊 3,300円(税込)

食品開発展2026

海外ツアー情報

「食品と開発」では海外の食品展示会に合わせたツアーを開催しております。渡航や展示会入場に関する手続きを省け、セミナーなどツアーならではの企画もございます。

ナチュラルプロダクトエキスポ2025

2026年3月1日(日)~7日(土)

ナチュラルプロダクトエキスポ

アメリカ市場視察 ツアー

PAGE TOP