食品素材の記事

食品と開発3月号 記事紹介―改めて考えたい「クロレラ」

『食品と開発』3月号では健康食品素材・機能性素材についての特集を掲載しております。そのなかから「クロレラ」についての記事を紹介します。

【市場動向】
健康食品として長い実績を持つクロレラは、中高年層には絶大な支持を得ており、安定した市場を形成している。サプリメントが中心となるが、青汁やスムージーにも配合され、食品分野では抹茶の補色で使われているケースも多い。ビタミンやミネラル、たん白質、食物繊維などを多く含み、最近は特にたん白質補給素材としても注目されている。クロレラそのものだけではなく、クロレラエキスの利用も進んできている。

クロレラの主要生産地は日本、台湾、韓国。主なサプライヤーは、国内で培養しているクロレラ工業、ユーグレナ(八重山殖産)、台湾の台湾緑藻工業、光璧企業、東海緑藻工業、韓国の大象など。

【サプライヤーの紹介】
■台湾産の各種クロレラを揃えるサンライフ
サンライフでは台湾産の各種クロレラ製品を揃えている。主力となる「サンライフクロレラ原末」は、食品GMPやISOなどの認証を取得した専用工場で培養されたもの。ビタミン・ミネラルなど栄養成分をバランスよく含み、打錠性に優れている。「マイクログリーンSC」は食品の着色に利用しやすい。

クロレラ原末から抽出したエキスを粉末化した「クロレラエキスC.G.F.」には、免疫機能への働きかけや脳機能・肌質改善などの機能が解明されている。同社では「CGF パウダーW5000」と「CGFパウダーW10000」を揃えており、とくに同社のみが供給できる高濃度品「W10000」は錠剤の摂取粒数を少なくでき、1〜2粒での製品化を可能とする。配合素材としても使いやすく、CGFを配合したゼリータイプの製品なども提案している。

■筑後産クロレラを多角的に展開するクロレラ工業
クロレラ工業は福岡県の自社工場で培養した「筑後産クロレラ」を販売している。機能性研究では、デトックス、生体防御、抗ストレス、抗酸化、メタボ予防、認知障害進行抑制など680以上の独自データを取得。国内外、とくに若年世代への認知度向上のため“ジャパニーズスーパーフード”と位置付けて紹介している。

筑後産クロレラはビタミン・ミネラル、食物繊維などを豊富に含み、配合することで製品の栄養素を強化できるのが利点。たん白質含量が60%程度と高く質も良いため、最近ではたん白質素材として配合の検討が増えている。

ヴィーガンやベジタリアンの栄養補給には最適で、ヴィーガン用製品やレストランのヴィーガンメニューにも応用が進む。今まで製品化されていなかった分野となるヴィーガン用の防災パンにも採用されている。さらに防災備蓄用としてだけではなく、普段の食生活に取り入れられるよう、日常食パンとしても発売されている。そのラインアップに「筑後産クロレラ味」での採用が決まり、発売が待たれている。

また、クロレラエキス「フレボタイド」は食品の品質改良にも利用できる。麺に配合すると、麺の伸びを抑制しコシのある製品ができ、パンの冷凍生地に配合すると、解凍後のパサつきを抑えてしっとりとしたパンができる。安定性が高く様々な用途で活用されており、畜肉加工品や水産加工品に加えると、臭みを抑えることも可能である。

海外向けでは特に欧州での動きが良く、既存だけでなく新規顧客も増え、健康食品の売り上げが好調に推移している。デトックスや免疫機能が求められて購入されるケースが多いという。

同社は食品分野に限らず水産や農業などトータル的にクロレラを展開している。水産分野では稚魚育成の飼料となるワムシの培養に「生クロレラ」が使われ、鮪の養殖をはじめ、水産業を支えている。農業分野ではクロレラエキスを配合した液剤で農薬登録や肥料登録をした商品があり、肥料として使うと人参や米、トマトなどの野菜やフルーツの糖度が増し、生育が良いと評価されている。

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