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グミの咀嚼が唾液分泌を促進し、口腔内の潤い対策に貢献―明治が農芸化学会で発表

明治は鶴見大学歯学部 教授の斎藤一郎氏と共同で、グミまたはガムの咀嚼が唾液分泌に与える影響について調査。グミはガムと比較して咀嚼時の唾液分泌速度を高める効果が期待され、さらに、このとき口腔中には咀嚼前と比較して多くの分泌型免疫グロブリンA(sIgA)が放出されていることを明らかにした。本研究結果は日本農芸化学会2022年度大会(3/15~18)で発表された。(演題名:グミ咀嚼が唾液分泌に与える効果に関する探索的研究)

サクソンテスト(ドライマウス診断方法の一種)にて唾液量が2~6gの健常な50~65歳の女性22名を対象に、ランダム化オープンラベルクロスオーバー試験を行った。試験食品の咀嚼開始から2分後までの唾液分泌量、唾液分泌速度、および唾液中のsIgAについて評価した。

その結果、
1)グミはガムと比較して累積唾液分泌量および唾液分泌速度が有意に高かった
2)グミは咀嚼初期の唾液分泌に優れ、ガムは安定した唾液分泌を促す
3)グミまたはガムの咀嚼による唾液分泌量の増加に伴い、口腔中には咀嚼前と比較し多くのsIgAが放出された
ということが判明した。

以上から、グミは噛み始めの強い咀嚼刺激と良好な崩壊性から得られる味覚刺激により素早い唾液分泌促進を可能にしていると考えられる。一方、ガムは持続性のある弾力から安定した咀嚼刺激が得られ、継続的な唾液分泌促進効果が得られるものと考えられた。

口腔内の乾燥は、唾液の自浄作用低下等から細菌の増殖を促し、う蝕、歯周病だけでなく口臭の悪化、感染症リスクの増大に繋がる。今回の試験は、グミおよびガムを咀嚼することが口腔内の潤い低下の抑制に繋がると考えられる結果となった。

【2022年4月号】特集/進展する腸内細菌代謝物の研究とその利用

油脂コーティングした「コート果実酸」を上市

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