執筆者
太陽化学㈱ インターフェイスソリューション事業部 研究開発G チームリーダー 門脇 章夫
はじめに
現代社会では多種多様な食品が流通しており、消費者は季節や地域を問わず様々な食材や加工製品を手軽に購入できるようになっている。しかしながら、同時に食品廃棄の問題が深刻化しており、「食品ロス削減」の取組みも強く求められている。国連の持続可能な開発目標(SDGs)においても「つくる責任・つかう責任」(目標12)が掲げられており、特に増加を続ける世界人口を支えつつ廃棄ロスを減らし、地球環境にかかる負荷を緩和するためには、食品の流通・消費段階での管理手法だけでなく、賞味期限延長技術の高度化が求められている。そのなかでも、多岐にわたる要因によって進行する「食品の酸化劣化」をいかに抑制するかが、品質維持とロス削減の両面において焦点となっている。
本稿では、食品の酸化対策がいかに賞味期限延長を実現し、廃棄ロス防止に貢献するか、その技術的背景とアプローチ方法の1つである「製剤化技術」の有用性を概説する。
1.食品の酸化劣化と課題
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