『食品と開発』誌面から

酵母エキスのカカオ原料代替への利用【食品と開発 12月号素材レポート】🔒

執筆者

食品と開発のアバター

バイオスプリンガー by ルサッフル セールスマネージャー 濱田 彩野


はじめに

カカオ業界はいま、かつてない不確実な状況に直面している。過去1~2年でカカオの市場価格は上昇を続け、250%以上上昇しており、1トンあたり1万ドルを超える史上最高値を記録した。この劇的な価格上昇の背景には、気候変動による生産地の混乱、老朽化したプランテーション、病害の拡大、サステナブル認証基準の厳格化など、複数の要因が複雑に絡み合っている。

それでもカカオ製品の消費需要は依然として堅調である。2020~2024年のカカオ製品市場は年平均成長率(CAGR)4.8%で拡大し、2024 年には4万2000品を超える新製品が発売された。特にアジア太平洋地域では、この傾向がさらに加速している。

このようなカカオ危機に対し、多くのブランドは「シュリンクフレーション」と呼ばれる方法を採用している。内容量やサイズをわずかに減らしながら価格を据え置くことで、コスト上昇を消費者に気づかれにくい形で吸収する戦略である。ただし、ブランド価値を損なわないように慎重に実施されているケースが多い。一方で、リフォーミュレーション(配合変更)が困難な場合、小幅な価格改定を行う企業もあるが、原料高騰の根本課題の解決には至っていない。食品業界はいま、持続可能性要件を満たしつつ、製品を安定供給する方法を再考する必要性に迫られており、極めて複雑かつ高リスクな課題構造を抱えている。

食品製造企業にとっての最大の課題は、原料コストを抑えつつ、消費者が求めるリッチで満足感のある味わいを維持することである。しかし、カカオ原料を削減することは容易ではない。カカオは独特の香ばしさ、ロースト感、深い味わい、ボディ感、滑らかさなど、複雑な風味構成を持つためである。この難題に対し、バイオスプリンガーはグローバルにおける酵母エキスのリーディングカンパニーとして、カカオ代替素材の開発に注力している。ここでは、ヌクレオチド、ペプチド、アミノ酸を豊富に含み、カカオ風味の深みと官能特性を補う酵母エキス「Springer® Signature BR」の製品特長を紹介する。

🔒この記事は雑誌に収録されています。

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