『食品と開発』誌面から

なぜ『腸のバリア』が肝臓に効くのか?スマート乳酸菌®による腸管ケア【食品と開発4月号特集II-3】🔒

執筆者

食品と開発のアバター

丸善製薬㈱ 山名 美江


はじめに

近年、健康維持や美容を目的として腸内環境を整える「腸活」が多くの人の関心事となっている。2025年9月に20代~60代の男女9,702名を対象に実施したインターネット調査では、約75%が腸活に興味・関心を示し、60%以上が健康維持・向上を、さらに女性の約半数が美容効果に期待していることが明らかとなった。

腸内には様々な微生物が共存しており、腸内細菌叢(マイクロバイオータ)のバランスと多様性が健康のみならず、全身の免疫系や代謝機能に不可欠であることが広く認識されている。一方、令和5年(2023年)国民健康・栄養調査の結果(厚生労働省)によれば、脂肪エネルギー比率が20歳以上の男性では37.4%、女性では46.4%という結果が示されており、目標値である30%未満を大きく上回っている。高脂肪食や運動不足を背景とした肥満やメタボリックシンドロームの増加は肝臓での代謝機能障害関連脂肪肝疾患(MASLD:Metabolicdysfunction-Associated SteatoticLiver Disease)のリスクを高めている。

MASLDの進展には、腸肝軸とよばれる臓器間のネットワークが関わっている。腸と肝臓の双方向のコミュニケーションを指す腸肝軸は、門脈を介して腸管と肝臓は密接に生理的・病理的相関を持ち、健康維持において非常に重要な役割を担っている。腸管は栄養素の消化・吸収のみならず、異物や病原菌の侵入を防ぐバリア機能を持っている。しかし、肥満、高脂肪食、アルコール摂取、果糖摂取、ストレス、SIBO(小腸内細菌叢異常)、腸内細菌の質的・量的変化(抗生物質)、薬剤(NSAIDs)などの影響により腸管透過性が亢進した「リーキーガット」状態になると考えられている。腸管バリア機能が低下してリーキーガット状態になると、本来、体の中に侵入しない異物、病原体が流入し、門脈を介して肝臓に影響をおよぼし、肝臓での炎症や肝疾患のリスクの増大につながる。

本稿ではLactiplantibacillusplantarum 22A-3(LP22A-3)が腸管バリアおよび肝機能におよぼす作用メカニズムと、臨床データについて報告する。

🔒この記事は雑誌に収録されています。

続きは『食品と開発』2026年4月号にてご購読いただけます。

食品と開発2026年4月号

【2026年4月号】特集Ⅰ/AIを活用した食品開発 特集Ⅱ/新しい乳酸菌の利用

『食品と開発』誌面から

サプリメントの定義、方向性案示す ~グミなども対象、GMP・健康被害情報の提供について要件拡大を検討

寒天オリゴ糖(AOS)―「悪玉菌をおさえる」という新たなプレバイオティクスの概念を提唱―【食品と開発 素材レポート】🔒

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