Imperial College LondonとGlasgow大学の研究者らが開発した新しい食物繊維「Inulin PropionateEster(IPE;イヌリンプロピオン酸エステル)」が、6年間にわたる規制上の不確実性を経て、ついにノベルフード承認を獲得した。
IPEは、チコリやタマネギに含まれる難消化性水溶性食物繊維であるイヌリンと、天然に存在する短鎖脂肪酸(SCFA)であるプロピオン酸を組み合わせた成分である。通常、プロピオン酸は小腸上部で急速に吸収されるが、イヌリンと結合させることで、消化吸収から保護され7た状態で大腸まで直接届けられる仕組みとなっている。これにより、食欲を調節するホルモンを誘発する結腸の受容体にプロピオン酸が作用し、満腹感を促進するとされている。
Glasgow大学のDouglas Morrison博士によれば、IPEは年間1〜2kg程度の緩やかな体重増加を防止し、肥満の進行を抑える重要な役割を果たす可能性がある。また、昨今のGLP-1減量薬の普及を背景に、薬の副作用である胃腸障害の緩和や、段階的な減薬プロセスのサポート、さらには薬に代わる新たな体重管理ツールとしての活用も期待されている。臨床試験では、1日10gの摂取により、過体重の成人の食欲調節や体重増加の防止に寄与することが示唆されている。特にシニアの過体重層で顕著な効果が見られたが、若年層においても身体組成の改善が確認された。
現在、DouglasMorrison博士やImperial CollegeLondonのGary Frost氏らは、スピンアウト企業であるSatisfed社を立ち上げ、商業化に向けた道を歩んでいる。同社は数千トン規模の生産が可能なパートナー企業を模索しており、サプリメントやスムージー、シリアルなどの日常的な食品への添加を目指している。計画では2027年までの市場投入を視野に入れている。
出典NutraIngredients(2026年7月8日)













