『食品と開発』誌面から

精度を保ち業務の効率化を図る 簡易・迅速微生物検査法の開発動向【品質・安全対策】🔒

自主衛生検査で拡がる簡易迅速法

HACCPの食品全業種への義務化の中で、食品の製造、加工、販売業者は規模の大小、業態を問わずHACCPの考え方に基づいた衛生管理体制の導入を進めてきた。HACCPシステムでは原材料から製品出荷までの全工程で危害リスクを洗い出し、重要管理点でのモニタリングを迅速に行い記録を残しながら、検査結果を工程改善に結びつけ、さらに改善後の検証も必要となる。そのためには記録を残すための最終製品の検査でなく、工程管理における簡便・迅速な試験法が求められ、モニタリングや改善後の検証のための簡易・迅速微生物検査が重要となる。

従来、わが国では微生物検査は公定法でなければならないという風潮があったが、近年は行政検査や法令遵守の証明のための検査以外の企業の自主検査では、公定法や標準法でなくても目的に応じた簡易・迅速法の利用が推奨されるようになってきた。ただしバリデーションされた簡易・迅速法であることが望ましいとされており、バリデーションの保証されたAOACやMicroVal、NordValなど国際認証法の利用が国内でも拡がってきている。

食品企業の自主検査でも、規格基準のある食品では公定法に定められた試験法で記録を残す検査が行われるが、規格基準のない食品や品質管理のための検査、または工程のCCPモニタリングや改善措置後の検証では、精度が検証された迅速検査法の導入が進んでいる。迅速法で工程管理を行うことによって、リスク回避や出荷コントロールも容易になるからだ。実際ここ数年は環境の微生物検査を行う製造施設が着実に増えてきているようだ。特に工程のモニタリング検査は簡易・迅速性が求められており、シート・フィルムの簡易培地や迅速検査装置が紹介され市場を拡げている。またHACCPの制度化でこれまで微生物検査を外注していた中小企業にも簡易迅速法を導入し自主検査に踏みきる動きが出ている。

さらに昨今、簡易・迅速キットの需要が伸びている要因としては検査現場の人手不足や働き方改革による労働時間の制限で、生・粉末培地を使用していたユーザーが簡易迅速法に切り替えていることがある。微生物検査の検体数は以前に比べ増えているのに対し、専門の技術者が確保できない、また労働時間が制限されるなどで、検査室の生産性向上は大きな課題になっており、検査時間を軽減でき、作業も楽で判定しやすい簡易・迅速法の導入に踏み切るところが増えているようだ。

…

🔒この記事は雑誌に収録されています。

続きは『食品と開発』2026年1月号にてご購読いただけます。

食品と開発 2026年1月号

【2026年1月号】伝統的発酵の解明から新たな発酵デザインへ

『食品と開発』誌面から

世界の注目を集めるマグネシウム素材「Magtein®」(L- トレオン酸マグネシウム)日本上陸
~Threotech 社 Senior Vice President Rory Lipsky 氏にきく🔒

L-カルニチンの単回摂取による脂肪燃焼効果が機能性表示食品として受理

関連記事

  1. 乳酸菌、腸内環境 農研機構における乳酸菌の機能性研究の進展と新しい取り組み【食品と…
  2. ナンブ「超いきいき家族」オリゴ糖シロップ ナンブ「超いきいき家族」オリゴ糖シロップ―ケストースとイヌリンが…
  3. GNT Group 菓子製造における植物由来着色料の重要性【食品と開発 11月号素材…
  4. 食品と開発7月号特集4 酸化防止剤の活用による食品価値の維持と賞味期限延長【食品と開発 …
  5. GLP-1 希少糖アルロース「ASTRAEAⓇ」の腸ホルモン GLP-1促進…
  6. ヒトと組織のマネジメントから考える食品工場の衛生管理 食品事故の「社会的」及び「経済的」側面を考える 【ヒトと組織のマ…
  7. 乳酸菌、腸内環境 次世代プロバイオティクス「アッカーマンシアAKK PROBIO®…
  8. DHAEPA 多価不飽和脂肪酸の心筋保護作用と心房細動予防に及ぼす影響の解析【…

お問い合わせ

毎月1日発行
  年間購読料 33,000円(税込)
      1冊 3,300円(税込)

食品開発展2027
ペットフード開発展2027

【1/8締切】 ナチュラルプロダクトエキスポ ツアー参加者募集

ナチュラルプロダクトエキスポ
PAGE TOP