中東情勢の緊迫化に伴う原料資材の高騰により、食品の酸味・調味付けやpH調整、日持向上等に利用される有機酸類の価格改定が相次いでいる。中国クエン酸は、現地の原料トウモロコシ相場の上昇に加え、中東に依存する副原料相場の急騰や、エネルギーコストの高騰、中国元の対ドルに対する為替レート上昇などが大きく影響しており、採算是正を急ぐ中国クエン酸メーカーの新物打ち出し価格は年初の平穏時から3月には30~50%以上に上昇。国内クエン酸価格の値上げが避けられない状況となっている。また無水マレイン酸を原料とする誘導体製品(コハク酸、フマル酸、塩類など)や酢酸ナトリウム、アジピン酸なども中東情勢の影響が大きく、原料資材や操業コストが上昇し、これまで相場の変動に備えてきた国内サプライヤー各社とも現行価格で吸収することが困難とみられ、5月に入り国内でキロ当たり40~50円以上の価格改定がアナウンスされている。
中国クエン酸は、現地メーカーサイドで様子見の展開となっていたが、3月あたりから大幅な値上げを通達する動きが表面化。クエン酸の発酵原料となる中国トウモロコシ相場は、肥料等の価格上昇の影響も相まって、15%以上に上昇し、さらにクエン酸製造時に使用する副原料相場は中東への依存度も高く平穏時に比べ250%以上と暴騰するなど、中国現地の製造コストはトン当たり300ドル増加したとの声もある。これまで中国の新興クエン酸メーカーの存在もあって、クエン酸相場が膠着してきた経緯もあり、原材料費や輸送コストの上昇、為替による負担増が中国各社に重くのしかかってきたとみられる。国内クエン酸市場ではキロ35~50円レベルでの値上げを打ち出す声もあがっており、夏前までには値上げが各地で波及していく見込み。
また酢酸ナトリウムは、酢酸製造に関わる原料市況の高騰が大きく影響し、原料酢酸や操業コストが上昇しており、安定供給を図るべく、価格改定を実施する動きが活発化。国内メーカーサイドではキロ当たり40円レベルの値上げを打ち出し、ユーザーと調整に入っているとみられる。無水マレイン酸を原料とするコハク酸、フマル酸、同塩類についても、製造コストや操業コスト、物流コストの負担は大きく、国内外サプライヤーとも相応の値上げを進めていく意向。海外相場が上昇するリンゴ酸も焦点となっている。













