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【トップランナーに聞く-1】日本コルマー(株) 代表取締役会長 神崎友次 氏

化粧品受託メーカー国内最大手の日本コルマー(株)(大阪市中央区)は、大阪本社を拠点に府内の八尾・柏原、島根県の出雲、静岡、茨城県結城に加え、昨年には三重県伊賀、東広島市に新工場を新設。現在は国内7工場体制で化粧品の製造を展開している。一方、海外市場でも韓国・中国に続き、昨年ベトナム・ホーチミン近郊に新工場の建設計画を発表。今期にはコーセーの中国工場も買収するなど、積極的な展開を推進している。2018年3月期決算では、14期連続の増収を達成し、化粧品受託の「グローバルNo.1」を目指す同社の代表取締役会長・神崎友次氏に話を聞いた。

連結500億円射程圏内に、2020年に国内シェア2割達成目指す

健康産業新聞165240日本コルマー

日本コルマー(株) 代表取締役会長 神崎友次 氏

―― 14期連続での増収達成の要因は

神崎氏 2018年3月期決算の単体の売上高は、対前年比117%の385億円、連結では430億円となり、14期連続での増収を達成した。要因はここ数年同様、(1)化粧品ブランドメーカーによるアウトソース化の加速、(2)イン・アウトバウンド需要の好調だ。

(1)では、私が長年提言してきた自前主義からの脱却、「オープンイノベーション」が化粧品業界にも浸透し始めてきた。化粧品ブランドメーカーの目的は、ブランドを販売して利益を獲得することにあり、製品開発や製造はその手段であり目的ではない。少子高齢化に伴い消費人口が減少するため、構造的に国内市場が縮小傾向にある中、世界市場を視野に入れた販売展開が求められる化粧品ブランドメーカーにとって、自前主義には限界がある。ここ数年、ブランドメーカーの多くが合理化推進の一環として、開発・製造のアウトソースを進めており、なかには専門部署を設置し組織的にアウトソースを拡大し自社生産を補完するところが現れている。当社は研究開発要員を約150人、品質管理要員を約200人抱えており、年間1,000以上の新製品開発実績を持つ。ブランドメーカーが求める生産能力や品質管理能力、製品開発能力に十分対応できる規模や技術力を持つ点が評価されていると考える。

(2)では、化粧品業界においては依然としてインバウンド需要が続いており、同時に越境ECによる日本製化粧品の購買も年々拡大している。化粧品の輸出金額が輸入金額を上回る中、海外市場に進出するブランドメーカーも増加している。逆に、海外のブランドメーカーが日本の工場に製造を委託するケースも増えており、当社でもこうした受注が年々拡大している。

―― 設備投資を積極的に進めているが

神崎氏 多くのブランドメーカーからの受注が増加していることから、生産能力の向上が急務となっている。昨年には三重県伊賀、東広島市に2工場を取得し、現在フル稼働に向けて準備を進めている。また今年5 月には、大阪本社の近くに約100坪の基礎研究所「スキンリサーチセンター」も開設。商談や研究開発のスピードアップを図っている。さらに関東圏唯一の工場である結城工場の増築、横浜研究所の拡張移転も行った。

設備の増強に伴い、人材の確保および育成も重要となる。他社から工場を取得する場合は、極力従業員も受け入れるようにしているほか、毎年新卒採用も行っており、化粧品の研究・開発に関心の高い学生を対象に、定期的に会社説明会も実施している。また人材の育成にも注力しており、工場や海外事業を任せられるエース級の人材を育てたいと考えている。アウトバウンド需要が増加する中、外国人の採用も積極的に行っている。当社では現在、国内でパートタイマーを含め約1,900人の従業員を雇用している。

―― 海外展開を含め、今後の目標は

神崎氏 当社の海外展開はブランドメーカーの現地での生産拠点となることを目的としている。中国・蘇州工場では、従来の日本や欧米のブランドメーカーの仕事に加え、近年は中国ローカルのブランドメーカーとの取引が急増している。中国の新興メーカーの販売力は強大で、当社への発注量もかなり多いことから、昨年秋に、コーセーの中国工場(杭州)をM&Aして生産能力を向上させた。また昨年発表したベトナム・ホーチミン近郊の新工場建設計画についても着々と準備を進めている。

2019年3月期は単体で432億円、連結で480億円を見込んでおり、当面の目標だった連結500億円も実現が見えてきた。そこで新たな目標として2020年に国内シェア2割の達成、中長期的に連結700億円を目指し、今後も取り組んでいく。

本記事は「健康産業新聞 1652号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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