食品用着色料は、見た目のおいしさや季節感を演出するとともに、加工食品の補色や退色をカバーする役割をも担う。市場が拡大するグミキャンディをはじめ、飲料やデザート、菓子・パン類、激辛食品、グリーンスイーツなど現在の食品人気を下支えするのにも着色料が一役買っている。
最近は中食・内食ニーズの高まりから、惣菜類やおつまみ類、代替原料へのアプローチも増え、おいしさ・賞味期限延長の観点からも安定性の高い着色料ニーズが高い。従来品に比べ鮮明さや明色化が図られた着色料開発が活発化しており、他着色料からの切り換えや用途拡大を模索する動きもある。その一方で、色素原料事情の悪化に伴う原料高や物流・操業コストの上昇、円安為替などが響き、天然系、合成系いずれの色素とも、ここ数年、製剤の価格改定をせざるを得ない状況が続いている。
米国市場で石油由来合成色素を段階的に排除する動きは、世界の色素原料相場にも影響を与えているとみられ、今後着色に利用される天産物の動向も注視せざるを得ない。一方、今年8月には日本発のクチナシ青色素が米国食品医薬局(米国FDA)に飲料・キャンディ類で認可されたこともあり、日本産加工食品の海外輸出を視野に入れた展開にも拍車がかかることが期待される。
本特集では天然系を中心に原料事情とメーカーの動向を紹介する。
国内着色料需要は微増推移
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