執筆者
木本技術士事務所 代表・所長 木本 晋作
はじめに
近年、食品製造における殺菌工程は大きな転換点を迎えている。従来の加熱殺菌は高い安全性を提供する一方で、風味・色調・栄養の劣化が避けられず、フレッシュ感や無添加志向が高まる市場ニーズとの乖離が顕著になってきた。また、エネルギーコストの上昇や脱炭素化の潮流により、熱源を多用する従来プロセスの持続可能性にも課題が生じている。こうした背景から、熱を用いずに微生物を制御する「非加熱殺菌技術」が注目されている。
本稿では、HPP、PEF、低温プラズマ、UV、オゾンなど主要技術の作用原理と品質保持効果を整理し、食品特性に応じた最適技術の選択、導入時の課題、今後の展望を体系的に論じる。
1.非加熱殺菌技術が求められる背景
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