執筆者
元 新潟大学自然科学研究科 客員教授 別府 茂
はじめに
2004 年10月23日 筆者は、新潟県中越地震のため小千谷市で被災した。阪神淡路大震災(1995年)における食生活の課題を現地で調査していたにも関わらず、自分が地震で被災することを想定しておらず、備えは乏しかった。被災地では高速道路も含め多くの幹線道路も崩落して物流が滞り、電気、ガス、水道、通信も途絶えて多くの被災者も困窮した。
それから22年間、大規模被害をもたらす地震は続いている。災害を自分事としなくては、備えは進まない。想定外をなくし備えを進めるため、活断層地図や地震発生確率に加えて、首都直下地震、南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝沿い地震の被害想定が公表されるようになった。自然災害が多発している日本では、地震発生後の対処だけでなく、発生を想定し事前に備える減災対策重視へ変化しつつある。本稿では、食生活の備えについて、その変化と市場の観点で整理する。
1.食の備えはなぜ必要か
…
🔒この記事は雑誌に収録されています。
続きは『食品と開発』2026年9月号にてご購読いただけます。














