『食品と開発』誌面から

植物性たんぱく質と食物繊維を両立する食品素材としての可能性粒状大豆たん白(TVP)~4週間摂取試験における腸内細菌叢および生活実感への影響~【食品と開発 素材レポート】🔒

執筆者

食品と開発のアバター

栃尾 巧1)、2)、3)、寺田 敦4)、西村 朋夏4)


はじめに

植物性たんぱく質を食生活に取り入れる意義は、肉類、特に赤身肉や加工肉に偏りがちな主菜の一部を、大豆製品や豆類、全粒穀物などへ置き換え、たんぱく質源を多様化しながら食事全体の質を高めることにある。植物性たんぱく質の摂取量が多い食事パターン、あるいは動物性たんぱく質の一部を植物性たんぱく質へ置換する食事パターンは、総死亡や心血管疾患、2型糖尿病、血中脂質などの指標の改善に寄与する可能性が報告されている。

植物性たんぱく質食品は、たんぱく質とともに食物繊維、不飽和脂肪酸、ミネラルなども摂取しやすい。日本人の食事摂取基準(2025 年版)では、成人の食物繊維の目標量は男性で概ね20~22 g/日以上、女性で17~18 g/日以上に設定されている。一方、令和6年国民健康・栄養調査では、20歳以上の平均摂取量は男女計18.1 g/日、男性19.2 g/日、女性17.1 g/日であり、特に20~40歳代では目標量に届きにくい状況が示されている。30~39 歳では男性18.3g/日、女性14.9 g/日にとどまり、40~49 歳でも男性18.1 g/日、女性15.8 g/日である。野菜料理やサラダだけで不足分を積み上げることは容易ではなく、摂食頻度の高い主菜、惣菜、冷凍食品、レトルト食品、弁当、外食メニューへ食物繊維を組み込む視点が求められる。

この不足を日常の主菜から補う素材として、粒状大豆たん白(Textured Vegetable Protein:TVP)がある。TVPは肉様の食感を付与しやすく、植物性たんぱく質と食物繊維を同時に含む。本稿では、その素材特性と、成人男女を対象とした4週間摂取試験で得られた腸内細菌叢および主観的QOLの探索的知見を紹介する。

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