(株)シー・アクト(東京都千代田区)は、石垣島沿海で培養した微細藻類オーランチオキトリウム由来の機能性素材「ペンタデシル含有オーラン油」に関し、小胞体(ER)ストレス緩和を介した疲労回復効果を確認するヒトデータを取得した。
疲労を自覚する41〜58歳の男女20名にペンタデシル6 mgを含むソフトカプセルを1日1カプセル、30日間摂取させた前後比較試験では、7日目に「全体として疲労を感じる」「体がだるい」「体が重い」など主要3項目が有意に低下し、30日目には「疲れが抜けない」「睡眠不足によるだるさ」を含む11項目中10項目で有意差(p<0.05〜0.001)が認められ、短期・継続の双方で疲労感の大幅な軽減が示された。
ペンタデシルに高含有する奇数脂肪酸ペンタデカン酸は、細胞内小胞体のタンパク質折りたたみエラーを是正し、ERストレスを軽減することで炎症性サイトカインの過剰発現やATP産生効率低下を抑制し、疲労の根本要因にアプローチする機序が想定される。腎機能や血糖値、認知機能など複数の生理指標改善効果も報告されており、エネルギーマネジメント型素材としての汎用性が高い。
同社は国内で培養から抽出・精製までの一貫製造体制を構築し、オイルタイプに加え乳化品・パウダー品の開発を進行中である。食品・サプリメント分野のみならずペット用サプリやスキンケア用途への採用相談も増えており、「複数の症状に同時アプローチできる点が評価の鍵」としている。
今後はプラセボ対照二重盲検試験の実施や機能性表示食品届出を視野に、疲労対策市場でのプレゼンス拡大を図る方針であり、ERストレスを標的とする新規アプローチ素材として注目度が一段と高まりそうである。
