執筆者
山口響生1、2)、唐澤幸司1、3)、倉満健人1、4)、高橋秀明1、5、6)、藤井匡1、5、7)、干場ナターシャ3)、矢ヶ崎莉菜3)、岡松順子3)、落俊行3)、栃尾巧1、5、7)
1 藤田医科大学医学部医学科消化器内科学講座、2 中部大学大学院応用生物学研究科、3 伊那食品工業株式会社、4 名古屋大学大学院生命農学研究科、5 株式会社バイオシスラボ、6 名古屋学芸大学大学院栄養科学研究科、7 藤田医科大学医学部医学科プレ・プロバイオティクス講座1 藤田医科大学医学部医学科消化器内科学講座、2 中部大学大学院応用生物学研究科、3 伊那食品工業株式会社、4 名古屋大学大学院生命農学研究科、5 株式会社バイオシスラボ、6 名古屋学芸大学大学院栄養科学研究科、7 藤田医科大学医学部医学科プレ・プロバイオティクス講座
はじめに
腸内環境は、宿主の健康に深く関与していることが理解されつつある。この腸内環境を整える手段として、プレバイオティクスは広く利用されてきた。プレバイオティクスは一般に、宿主が消化できない成分を腸内細菌が利用することで、有用菌の増殖や代謝産物の産生を促し、腸内環境を望ましい方向へ導くことを目的とするものである。これまでの実装は、ビフィズス菌や乳酸菌などの「有用菌を増やす」(一般的には善玉菌などとも言われる)アプローチが中心であった。
しかし、腸内環境には宿主への悪影響を及ぼし得る「有害菌」(一般的には悪玉菌などとも言われる)も一定量存在し、有用菌とのバランスによって、その恒常性が成立している。実際、解析技術の進歩により、特定の有害菌の増加が炎症性疾患、がん、代謝異常などの病態と関連して増加することが次々に報告されている。このような有害菌が優勢化している状況では、有用菌を増やす介入だけでは腸内環境が十分に改善しない可能性がある。すなわち、腸内環境を確実により望ましい方向へ導くためには、「有用菌を増やす」だけでなく、「有害菌を抑える」という研究的な視点は重要なのではないだろうか。
本稿ではこの視点に基づき、寒天由来のオリゴ糖である寒天(アガロ)オリゴ糖(agarooligosaccharides:AOS)の有する「有害菌の抑制効果」という新たなプレバイオティクスの視点に関し、多様な機能性とともに紹介し、新たなプレバイオティクスの市場展開の可能性を提唱する。
1.AOSとは
…
🔒この記事は雑誌に収録されています。
続きは『食品と開発』2026年1月号にてご購読いただけます。













