『食品と開発』誌面から

微生物制御による賞味期限延長と食品ロス削減【食品と開発 7月号特集2】🔒

執筆者

食品と開発のアバター

奥野製薬工業㈱ 総合技術研究部 食品領域 平田 奈緒美


はじめに

食品の消費期限・賞味期限を延長し、食品ロスを削減することは、環境への負荷を軽減し、限られた資源を有効活用する上で重要な課題である。食品の日持ちを向上させる手段には、適切な容器包装資材の選定や製造工程における衛生管理の強化など、いくつかのアプローチが存在する。なかでも、微生物の増殖抑制を目的とした食品添加物の使用は、実用性に優れた方法として、広く取り入れられている。

これらの食品添加物の中で、特に活用されているのが、酢酸や酢酸Naを主成分とする制菌剤である。幅広い抗菌スペクトルを有することから汎用性が高く、調理済み食品や惣菜など多様な加工食品に活用されている。一方、近年は単身世帯や共働き世帯の増加、少子高齢化といった社会構造の変化により、個食や簡便調理へのニーズが高まり、チルドパウチ食品を中心とするロングライフ商品の需要が拡大している。

これにともない、保存期間の長期化や保管温度帯の変化などにより、従来の制菌剤では対応が難しい微生物への対策が新たな課題となっている。こうした課題を解決するため、当社ではチルドパウチ食品の腐敗原因菌に対して増殖抑制効果を示す制菌剤「トップキープデリ雪華CPS」を開発し、販売を強化している。

本稿では、本製品の技術的特長および応用事例について紹介する。また、消費者の食品表示への関心の高まりを背景に、使用する原材料や表示内容を意識した商品も少しずつ広がりをみせている。こうした動きを受け、当社では食品素材のみで構成された日持向上素材「トップNフィットプラスシリーズ」を展開している。本シリーズは醸造酢が本来持つ抗菌性に着目し、日持ちとおいしさの両立を目指して開発されたものである。本稿では「トップNフィットプラスWS」、「トップNフィットプラスSN」の技術的な特長に触れながら、日持ち向上における新たな選択肢としての可能性を紹介する。

🔒この記事は雑誌に収録されています。

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食品と開発2025年7月号

【2025年7月号】特集 /賞味期限延長技術と食品ロス削減

『食品と開発』誌面から

賞味期限延長とフードロス対策について【食品と開発 7月号特集1】🔒

CBN製品の安全利用と業界健全化へ――全麻協、ガイドラインと共同自主規制宣言を発表

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